(特別企画)【硬券差を作る】


1."硬券差"について

 現在でも"硬券"を扱っている数少ない中小私鉄の出札窓口のほか、稀にデパート等の食堂の食券売り場などでも見掛ける"アレ"、正式名称はよくわからないが、「乗車券箱」に取り付けられている硬券収納用の細長い金属製ホルダーを一般には"硬券差"(こうけんさし?)とか"硬券ホルダー"というらしい。A・B・C・D型それぞれに専用品があり、硬券の最盛期には"岩田製作所"(東京)など数社が製造していた模様だが、現在は全く製造されていないため、手に入れようと思えば中古品を扱う鉄道関連の店やオークション等に頼るしかない。昨今の中古価格は1つ\1,000〜3,000といったところだが、"硬券廃止"に伴うJRや大手私鉄の放出が一段落した近頃では"出物"がかなり減っているようで、マニアの"死蔵"も相まって相場が上昇気味のうえ、特に"きれいなもの"が非常に少なくなっている。たまに見掛けても簡単には落とせない錆びや汚れが目立つ個体が多く、中には"重し"(後述)がなくなっているものもあり、筆者のように硬券差をたくさん並べてオリジナルの「乗車券箱」を作ろうと思っても、状態のよいものをまとめて揃えるのが極めて難しい情勢だ。(特にC型用は非常に少なく、D型用も滅多に出て来ない。) せめてパソコン上で雰囲気だけでも味わいたいと思い、先だっては"KokenStocker"というオリジナルソフトまで作ってみたが、やはり"本物の感触"には程遠い。実物を眺めながら、なんとかならないものかとあれこれ思案していたところ、意外と構造が単純なので、いつしか「これってもしかしたら手作りできるんじゃないの?」と思うようになり、今回、加工しやすい"アルミ板"を使って実際に試作を行ってみた。


2."硬券差"の仕組み


 もしやと思ってインターネットで情報を探ってみたが、やはり現在も"硬券差"を製造しているメーカーは1社もない模様。件の"岩田製作所"を検索してみると、恐らく同じ会社のものと思われるHPを見つけたが、製品の主力は産業用ロボット・コンベア・食品機械等の構成部品開発・製造に移行しているようで、当然カタログにも「乗車券箱」や「硬券差」などは載っておらず、詳しい製品情報を入手することはできなかった。
 筆者の知る限り"硬券差"の構造には2タイプあり、昭和15年に鉄道省が製作した「乗車券」という宣伝映画を見ると、比較的初期のものは単に乗車券を重ねた小箱の下端を切り取るだけの簡単な仕組みだったことがわかる(左:"重し"はないらしい)。券を引き抜きやすいように少し斜めにして、指を掛けやすいよう底部先端を半円形に切ってあるのは後期タイプと同じだが、"人差し指の腹と親指の爪"(後期タイプの逆)で券を手前方向に引き抜く構造が少し使いにくかったようで、爪があまりに短いとスムーズに取り出せないのが見てとれる。また、この構造では一番下の"券番"が確認しにくい(少し引き出さないと直視できない)ため、売上計算が不便だったことも改良の一因となったようだ。(券番のチェックは「下から覗き込む」のは非現実的で「券を今と表裏逆向きに積んで、その都度引き出して見た」のだと思う。) しかし、この方式の硬券差も極一部の中小私鉄("京都丹後鉄道網野駅"など)では今も現役らしいので、比較的後年まで製造されていたのは間違いない。(特許の問題か?)


左: "岩田製作所"製の硬券差(製造年不明)

 現在(というか比較的近年)主流の構造は、上記の古いタイプとは逆に"親指の腹と人差し指"を使って簡単に券が引き抜けるよう「斜めに重ねた券を上から下向きに取り出していく」方式に改良されている。但し、この構造では券の束を後ろから持続的に押さえておかないと2枚目以降が自動的に引き出し位置に落ちてこないため、ロールが付いた金属性の"重し"(正式名称不明)が付属するようになった。この"重し"には微妙なカーブが付いており、どうもこれが"ミソ"らしい。
 しかし、券の填入だけはやや厄介で、数十枚ずつ(一度に百枚は無理)を微妙に斜めにずらしながら"きれいに"収めていかないと券の"引き抜き"がスムーズにできなくなる。また、高品位の国鉄印刷場調製の硬券を基準としているためか、ほんのわずかに幅や厚さが大きいだけでも規格外の券は"引っ掛かって"取り出しにくいようだ。


 裏面には"乗車券箱"のハンガー(横棒/レール)に引っ掛けて固定するための金具(フックというかノッチ)が取り付けられている。全長は約20cm、幅は硬券の所定サイズ(A・D型3cm/B型2.5cm)よりわずかに(1〜2mm)大きく、前端の傾斜角度は35度(A/B TYPE)または30度(AD TYPE)、後端の傾斜角度55度。簡単な構造だがちゃんと特許申請もされているようで、"重し"にも別のパテントNo.(387059/387060)が刻印されている。本体の刻印は製造時期により?他にも数パターンあり、「B-TYPE Tokyo-IWATA」のように社名が入ってるものや単に「A.TYPE」など型名だけのもの、もしくは逆にパテントNo.だけのものもあるようだ。D型用は券幅の関係で前端の傾斜がやや急にはなっているがA型券も使用可能で、型名も「AD.TYPE」と打たれている。また、「B100TYPE」の刻印は"B型券100枚用"の意味かもしれない?が、実際には優に150枚以上は収納可能。乗車券類の請求は通常100枚単位なので、概ね100枚売り切る度に補填するケースが多かったのではなかろうか? しかし、大きな駅ではこれでも1日でストックがなくなってしまうケースがあったはずなので、もっと容量の多い別製品があった可能性も考えられる。

 この方式の最大の特長は最後に売れた券番(正確には"その次の券番")が常に直視できるという点にあり、加えて、計算された微妙な形態や角度、適度な"重し"の力により1枚目を引き出した後2枚目以降がきれいに所定位置に下りてくる仕組みになっている(下)。実用性の高いなかなか優れた発明品であるが、"硬券"自体が消滅の危機にある今、"ダッチングマシン"などと同様まさに「風前の灯火」であることは本当に残念でならない。

※ その後、この方式の"硬券差"がいつ頃出現したのかを確かめるために、"特許庁の特許情報プラットフォーム"(インターネット)で「特許0387659/0387660/0387661/0387059/0387060」等を検索してみましたが、この製品に関する情報は登録されていないようでした。(一応、「硬券差」等でキーワード検索も行ってみましたがやはりヒットしません。筆者はこの手の検索は苦手なので、もし出願書類などを発見された方はご一報頂けると幸いです。)
 ただ、「昭和30〜40年頃の期間で特許番号は216107〜484921の範囲」という情報がありますので、強引に均等計算しますと昭和36年頃?の特許登録ということになります。実際の製品出現時期はもう少し早いことも考えられますが、せいぜい遡っても「昭和30年頃から使われ始めた」とみて間違いないようです。

※ さらにその後、「鉄道物語 はじめて汽車に乗ったあの日」(河出書房新社・2002)という本を読み返していたときに、たまたま"昭和27年頃"の出札風景を撮った写真(P.17)を見つけましたが、関東地方ではこの時期既に上記タイプ(下向きに引き抜く方式)の硬券差が使われていたようで、「せいぜい昭和30年頃から」という筆者の推理は間違っていたことがわかりました。ちなみに、著者の佐藤美知男氏によると、関西地方では比較的後年まで古いタイプ?(冒頭のつまんで手前に引き出す方式)の硬券差が主流だったようです。



3.硬券差を自作する

(1) 材料の選定

 本物は恐らくステンレス・スチール製で厚さは0.5mm程度、耐久性を考えれば同じ材質がベストであることは間違いないので、試しにホームセンターで同じステン板(0.5mm厚)を購入して"電動丸ノコ"や"糸ノコ"(一応金属用の替刃)で切断テストを行ってみたが、長い直線部分はよいにしても三角形の切り込みや曲線部分、1mm以下の微調整が至難の業であることがわかり、早々に断念せざるを得なかった。(それなりの工作機械をお持ちのDIY熟練者であれば話は別で、ひょっとすれば既にチャレンジされている方もおられるかもしれないが...。) そうなると、残る選択肢は"アルミ板"くらいのもの。そこで0.5mmと1mm厚の両方を購入して再度テストを行ってみたところ、1mmの厚さでは柔らかいアルミ板であってもやはり切断・屈曲は容易ではなく、必然的に「0.5mm厚のアルミ板」を材料に選んだ。「200 X 300mm」位の手頃なものがホームセンターで350円程度。0.5mm厚では指の力で変形してしまうほど柔らかく少々頼りない感じはするが、なんと普通の"鋏"でも簡単に切断できるため、耐久性は期待できないものの、そこそこ精密な加工は可能に思えたので、試作には十分と判断した。


(2) 本体フレームの作製

1) 今回、オリジナル"硬券差"自作の目的の1つに、書斎机の棚に置けるような"ミニ乗車券箱"を作ってみたいという動機があった。そこで、"硬券"収納力は犠牲にしても奥行きを5cm程度短くしたコンパクトなものを目指し、それ以外は本物の各サイズ・角度を実測して簡単な設計図を引き、それをカーボン紙でアルミ板に転写した。パーツは本物と同様2つ(前面部分とそれ以外)に分け、板を折り曲げ後に接着の予定なので、板の厚みを考慮した微妙な"遊び"が必要。うまくいくかどうかわからないので、とりあえず"B券用"を1つだけ試作してみることにした。


2) 直線部分は三角形の切り込み部分も含め、すべて普通の鋏で切断した。(切断後は極端に切れ味が落ちるので、大切なハサミは使わないほうがよい。本当は"金切り鋏"がベストだろうが、"100円ショップ"で売っているやや先の細い普通のもので十分。) 残念ながら曲線部分は回転切削器具を使うしかないが、これも恐らく100円ショップで売っている安価な"工作用リューター"でなんとかなると思われる。"切り込みの合流点"は"折り曲げによる重なり"を考慮して内側を少しだけ削り込み、最後に鋭縁が残らないよう紙ヤスリやリューターで仕上げる。爪で引っ掻いてもキズが付くほどヤワな材質なので、特に外観に触れる部分の加工は慎重に行ったほうがよい。左は切断・研磨が終了した本体フレーム。


3) 板の折り曲げは、各辺の端部に先が直角に近いプライヤーを正確に当てて、変形を確認しながら両側から少しずつ曲げて行う。幅の狭い部分や小辺部分はそのままプライヤーを使うしかないが、長い直線部分は意外と手指を使うほうが材料を傷付けずにきれいに曲げることができる。折り曲げ部分にはあらかじめカッターで薄く切れ目を入れておくと曲げやすくなるが、90度以上折り曲げると材料が切れてしまうことがあるので要必要。

4) 折り曲げが終了したフレームは、各辺の継ぎ目が合っているか、2つのパーツがきちんと接合できるかどうか試適して確認し、過長部・変形があればリューターやプライヤーを使って微調整する。


5) 各辺の継ぎ目部分やパーツの接着は折れ金具を使った"ネジ止め"や"ハンダ付け"など色々な方法が考えられるが、あくまで趣味レベルの試作であり、現場のように毎日荒々しく使用するわけではないので、今回はエポキシ樹脂系の透明色接着剤を使ってみた。接着部はやや見苦しくなるが、内側や側面の目に触れにくい部分ならばそれほど気にならない。

6) 本体裏面の固定用金具も、同じアルミ板を適当な長方形に切断し、その一辺をプライヤーで丸く折り返して作製した。("湾曲"は底面から90度位置で止めておかないと乗車券箱のハンガー(横棒/レール)への取り付け・取り外しが困難になる。) 本物は、底部のステン板を1cmほど切って左右に立ち上げ、かなり強固な支持構造としているが、趣味の試作レベルならば接着剤だけで問題ないと判断した。



左: 完成した本体フレーム。小型なので硬券収納力はせいぜい120枚程度だが、"遊び"(飾り)ならばこれで十分。B型硬券の収納・引き抜きテストの結果もまあまあで、硬券の厚みに起因する不具合("引っ掛かり"や"2枚抜け")も、材質がアルミであることが却って幸いして、プライヤー等で簡単に微調整が可能。

 

(3) "重し"の作製

 "重し"については明らかに本体フレームほどの精密さは必要なく、極端な話ただの"鉄球"や"大きめのビー球"でもなんとかなりそうだが、できるだけオリジナルに近づけたいと思い、とりあえずは身近にあったテープカッターの"芯"(偶然"本物"とほぼ同じサイズ)をロール部分に流用して試作第1号を作ってみた(右下)。"岩田製"では背面が微妙にカーブしているが、最初はこの曲面をハンドメイドで再現するのは難しいと思ったので、やむを得ず"平面"で作製してみることに決め、その他の部分は"岩田製"を実測して概ねサイズや傾斜角が同じになるよう調整した。"B型用"本体フレームの前面傾斜角は35度なので、"重し"背面の傾斜角も同じ35度でよさそうなものだが、これでは"硬券"との接触面積がかなり大きくなることが予想されるため、ストックが残り少なくなると恐らく後ろから強い力が掛かって、券の引き抜きがスムーズにいかなくなるのではないかと思う。実際、"岩田製"では先端が40〜45度、後端が25〜30度で緩やかにカーブを描き、理論上は傾斜角が35度になる背面やや後ろ寄りの1点で硬券に接触するよう工夫されている(左下)。そこで、試作第1号では背面傾斜角を40度位に設定してみたところ、ロールがちょっと重過ぎる割にはまあまあの出来(適度の"引き抜き"負荷)で「これでいいんじゃない」と満足していたが、引き抜きテストを続けているうちにストックが残り数枚の時点で早くも"重し"背面の後端が本体フレームに引っ掛かってしまい、券に加重が掛からなくなって"引き抜き"負荷がなくなる("スカスカ"状態になる)ことが判明。これはやはり、"岩田製"オリジナル通りに作らねばならないと思い、設計図から作り直すことにした。


左: 試作第2号の設計図。背面のカーブを再現する方法は色々あると思うが、熟慮の結果、強度や加工のし易さを優先してパーツ分割は行わず、やはり1枚板をうまく折り曲げて"曲面"同志をなんとか接着剤で接合してみることにした。厳密には後端側15mmが"平面"となってしまうが、この部分は既に背面の最大膨隆点(硬券との接触点)を越えていると思われるので問題ないとしておく。このパターンをカーボン紙でアルミ板(0.5mm厚)に転写し、板の切断は、直線部分を除いてまず外形を大まかに鋏で切り取った後、細部は回転切削器具と紙ヤスリ等を使って丁寧に仕上げる。また、後端の90度折り曲げ箇所(パーツ分割を避けるために残した部分)は左右各15mm幅しかないため、却って板が破断する恐れもあることからカッターによる予備的な"切り込み"は止めておいたほうがよい。背面部のなだらかな曲面は、先が丸いプライヤー等を使って逐一状態を確認しながら慎重に行っていく。


左: 折り曲げ加工が終了した状態。メタルの鋭縁や過長部があれば紙ヤスリやリューターを使って微調整する。曲面の接合部は接着剤を塗らなくても"口が開かない"くらいにピッタリ合わせておいたほうが無難。前後左右から外形を観察して、ちゃんと左右対称になっているか、また"硬券差"本体"に仮装着して、期待通りの寸法・形状になっているかどうかをしっかり確認しておく。
 "ロール"の材質・形状と"重し"本体フレームへの取り付け方法についても色々検討してみたが、今回は東急ハンズで"岩田製"(直径20mm/幅22mmの軟鉄?円柱)とよく似た真鍮製の円柱棒(直径20mm/幅20mm・通販で200円ちょい)を見つけたのでこれを利用することにした。卓上ボール盤があればベストだったが、まず回転切削器具を使ってなんとか円柱の中心に直径2mm強/深さ3〜4mmの穴を穿つ(左右2ヶ所)。"重し"の本体フレームの所定位置(左右)にも直径2mmの穴を開け、フレームの外側から太さ2mm/長さ4mmのアルミ平リベットを通して、円柱がうまく回転することを確認後、本体側にだけエポキシ樹脂系の接着剤を塗ってロールを"半固定"してみた。精度・強度的に多少不安はあるが、現場で実際に酷使するものではないので、趣味レベルの試作ならばそれほど問題はないと思われる。



左: 完成した"重し"(試作第2号)と"岩田製"(本物)との比較。寸法・形状(背面のカーブ具合)共に実物に近いものとすることができた。但し、実際に"重し"を転がしてみると多少"ふらつき"が感じられるため、やはり微妙な設計ミスやフレームの変形があってロールの中心軸がズレてしまったらしい。もっと誤差が出にくい確実な方法はないか、今後の検討としたい。



左/下:  完成した"重し"を実際にオリジナル"硬券差"本体にセットして"収まり具合"を最終チェックしているところ。


(4) オリジナル・ミニ乗車券箱の作製


 オリジナルの小型"硬券差"を装着する"ミニ乗車券箱"も、ホームセンターで購入した安価なメープル?集成材(15 X 250 X 910mmサイズで800円位)で自作した。書斎机の空きスペースに収まるようにしたかったので、幅・奥行き共に13cm程の超小型なものになってしまったが、毎日眺めて雰囲気を楽しむにはこれで十分。収納幅は10cmで、A・B・D型用オリジナル硬券差が3本まで装着できる。(奥行きが狭いので、残念ながら"岩田製"(本物)は装着不能。オリジナルの小型版も前端がかなりはみ出してしまうが、やむを得なかった。) 暫く様子をみて問題なければ、"ニス"を塗って完成予定。
 難しいのはハンガー(横棒)の設定で、実は、乗車券箱の現物を間近でしげしげと観察したことがなかったので、内側がどういう仕組みになっているのかが今一つわからず、横棒は1本でいいのか2本のほうがいいのか、どこかに固定金具のようなものがあるのかなど、ネットで色々調べてもやはり確かめられなかった。検討の末、結局横棒は1本だけの簡単な構造として、今回は取り付け時の微調整がしやすい木製丸棒(100円ショップの直径9mmサイズ)を選択。横棒1本で硬券差を支える場合、後面を箱の奥壁にピッタリと合わせて、しかも後部の上端ができるだけ箱の上壁に接するように設定しておかないと、券の取り出しの際、硬券差が上下にカタついて使いにくい。そこで、オリジナル硬券差がそこそこ安定し、なおかつ取り付け・取り外しにも支障がないよう"現物合わせ"で位置決めを行い、横棒を透明色エポキシ樹脂系ボンドで接着した。(強度にはかなり不安はあるが、実用品ではないので「すぐに壊れたら改めて考え直す」ということで妥協。) しかし、試作硬券差は小型のうえアルミ製で軽量なため、どうしても微妙なカタつきは避けられず、ちょっとしたことで横方向へも動きやすいことから、とりあえず市販のクリップを横棒に咬ませて補強した(横から押さえる)。当然、もっと強固に安定させる方法はあると思われるが、いずれ乗車券箱の現物を見てからの課題としたい。


 下は完成したオリジナル小型"硬券差"をオリジナル"乗車券箱"にセットしてみたところ。いずれは、同様に"A・D型用硬券差"も作製する予定。


左: "重し"がうまく機能するかどうかを確かめる。指でわずかに"重し"を押し戻し、数秒してから指を静かに離す。これで"重し"がスムーズに落ちてこなければ、どこかに"引っ掛かり"があるので調整が必要。


左: 連続"引き抜き"テストを行っているところ。過度の"引っ掛かり"や"すっぽ抜け"はないか、2枚目以降がスムーズに所定位置に下りてくるかどうかなどをチェックする。

下: 調整が終了してレイアウトも完了したオリジナルのミニ"乗車券箱"。ちなみに、右端は既製の電子工作キットを改造して作ったこれまたオリジナルの「車内放送用チャイム」。30秒以内の録音機能を利用して、青ボタンを押す毎に今は「鉄道唱歌」のオルゴールが鳴るようにしてある。これで書斎机もグッと楽しくなった。

 なお、九州の国鉄(JR)駅では、昔からこのようなタイプの"乗車券箱/硬券差"は使われておらず、単に細かく仕切りを入れただけの"小物入れ"様の木製収納庫がほとんどだった。筆者が"硬券"集めに熱中していた頃は最もお馴染みの"乗車券箱"でもあり、いずれはこちらのほうもなんとか自作にチャレンジして、もう決して見られないであろう往時の出札風景を懐かしみたいと思っている.....。